『感性論哲学へようこそ』
□4.「はじめに」(鈴木繁伸)
この芳村思風の感性論哲学をベースに、二十一世紀の日本及び世界は進んで行く事を私は確信しています。
芳村思風先生と約五年に渡ってお付き合いさせていただき、これほどの素晴らしい哲学が本当にあったのか、こんなに素晴らしい人物がこの世に本当にいたのかと、社会や多くの人と接するほど、他の多くの本を読み続けるごと、日々益々、感じております。
今、日本人は、無思想であると言われておりますが、それは現存する思想が既に過去のものとなり、生きた歴史的現実をリードする「理念の力」を喪失して、現実に対応出来なくなっているからです。
しかしながら、この感性論哲学は我々の心を捉え、奮い立たせてくれます。そして、この社会の生きる故の柵(しがらみ)を断ち切って、理念へと導いてくれます。しかし現在の所、ごく一部の芳村思風先生の講演を聞いた人が「本当に素晴らしかった」と言っている状況です。
それを何とかまず基本部分から、日本人全ての人に理解していただきたいという思いで、
芳村思風先生の講演と本を中心にまとめました。私は、この本を企業の社員研修等の教科書
にしたいと考えています。そして質疑応答等の続編の出版も企画しています。
老若男女を問わず読んでいただける本ですが、特に若者に読んでいただきたい。若者は
現在の激動の時代を乗り越え、夢多き二十一世紀において、素晴らしい時代のリーダーと
なる日が来るからです。
現在の不景気や、犯罪、離婚の増加、役人官僚の汚職、倒産の増加、若者のやる気のなさ、
環境問題などすべての面における閉塞状況の原因は、科学的思考能力ばかりを鍛えたこと
にあります。
科学は事実を探究し現在および過去の領域を問題とする学問である為、、因果的思考能力
に片寄ってしまい、理想を創り上げる力がないのです。
哲学は今、大学においては文献学的学習しかなされず、現実の社会は、全て事が起こって
からしか行動できない、つまり科学的で事後処理型の社会になってしまっているのです。だ
から現実に流され、深まりゆく混迷の中で人々は不安に包まれているのです。
しかし歴史というものは、「不安」を解消し「安心」を実現することを目的に創られます。
「不安」は課題感情であり、不安に直面して初めて、人間は自己を真剣に見つめ、自覚的
な生き方の必要性を知り、安心への道程を歩むのです。
このような情況において、感性論哲学は、深い歴史観を基に、人生観、世界観を語り、
教育、政治、経済、社会、文化の各分野の本質を明らかにして、未来への理念を指し示し
ています。
この本を読まれた方は、おそらく次のような気づきを持たれることでしょう。
「二十一世紀における日本民族の使命が解った」
「これからの世界の方向が明確になった」
「日本に、今起こっている諸問題の根本原因が解った」
「命よりたいせつなものが、本当にあった、衝撃であった」
「人間とは何であるかが、生まれて初めて解った」
「人間の柱が理性でない事が確信できた」
「人生の目的は、二つしかないんだ」
「今の仕事が、こんなに意味深いものだと初めて解った」
「物欲を肯定してよかったんだ、偏見もなくさなくてよかったんだ」
「生まれてから今までの自分の生き方について心から反省できた」
「男の度量が自分には足らなかった、今日妻に謝ろう」
「好きな人に今日心を打ち明けるぞ」
「恋と愛の違いが解った」
「人間の本質は理性ではなく、感性だ」
「理性以外に、人間にはこんなに他の能力があるぞ」
「人間を磨くとは、感じ方を成長させる事だ」
「意志とは、理性の力ではなく欲求の強さだ」
「実現する価値がある本当の自分が解った」
「自分の境涯のレベルが解り、どの境涯を目指せばよいのか明確になった」
「人格の努力目標がはっきりした」
「経営するという事は社員に人生哲学を教えることだ」
など、多くの気づきや衝撃をあなたに与え、あなたがご自身の生き方を支える素晴らしい
哲学を持たれる事を確信します。
この感性論哲学の理念を軸に、国民一人一人がその生き方や夫婦、家庭の在り方を考え、
新しい教育や経営の在り方を創っていけば、その変化は日本から世界に及び、人類の人間性
は飛躍的に進化、発展していくと確信しています。
私は特に中小企業の社長の方に、この哲学を軸にして自分の言葉で社員に目標や理想を語
っていただきたいと熱望しています。
なぜなら、今の若者を本当に甦らせる事が出来るのは、実は、顔の見える身近にいる会社
のトップである中小企業の社長しかいないからです。
“学歴でも過去の経験でもない、これからどう生きるかという使命感で人生は決まる”
と社員に語っていただきたいのです。そして職場とは、専門知識・技術を身に付け、その
職業に従事する人間を、人に喜んでもらえるような能力と人間性を持った本物の人間に鍛
え上げる道場であり、本物になった度合いに応じて利益が入ってくるんだという、人格主
義経済における労働観を明確に示していただきたいのです。
またこの哲学は、是非、繰り返し何度もお読みいただき、自分の中で暖め、醸成してい
ただきたく思います。そうすれば、この哲学の懐の深さや、大きさ、体系的な素晴らしさ、
そして、感性を原理にした全く新しい本物の哲学である事を実感していただけると確信し
ます。
読者の皆様と共に、二十一世紀において科学技術文明を完成させ、東洋の時代の新しい原理
を日本から世界に発信し、日本人の使命を自覚して第三次高度成長を実現する素晴らしい日
本を創り上げましょう。
『この哲学から日本は復活する』 鈴木繁伸/芳村思風 共著より